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ジャイアンツ帽愛好者・血祭鉄兵によるテンパイどころかノーテンパーブログ。

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児玉アパッチ総帥特別寄稿 【亀有名画座エターナル・センチュリー2100】

1941年に「亀有會館」として竣工され、戦後の1959年に東映封切専門館「亀有東映」、1980年に一般映画・成人映画各社を特選上映する「亀有名画座」、1983年に成人映画特選上映専門館(春・夏・冬休み期間中のみ「東映まんがまつり」、「東映アニメフェア」を封切上映)となった「亀有名画座」は、紆余曲折を経ながらも大勢の観客に親しまれてきた商店街の中の映画館だった。


ロマンポルノ・ピンク映画の殿堂”、“名画座アラモの砦”とも呼ばれた亀有名画座は、立地する「本通り商店街」の東京都による道路拡張工事を理由に、1999年2月28日をもって惜しまれながら58年の歴史に幕を閉じた。


そこで、受験生時代の1990年代前半、千葉から亀有名画座に通い始めてその魅力にZokkon命(ゾッコンラヴ)になり、亀有を取材してその素晴らしさをミニコミ誌『季刊サブカル通信』を通じてヤングに知らせることに情熱を燃やした、児玉アパッチ総帥にありったけの“亀有名画座オマージュ”を綴ってもらった。


※1999年3月に寄稿していただいたものを、Web掲載用に再構成いたしました。


【亀有名画座エターナル・センチュリー2100】


文:児玉 アパッチ 構成・補足:血祭 鉄兵


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児玉 アパッチ総帥



子供の頃、俺には夢があった。その夢を想う時、俺は一刻も早く大人になりたいと思った。


俺の夢。


それは「にっかつロマンポルノ成人映画館でしこたま観てエロい気分に浸りまくること」だった。


ピンクのカーテンBlu-ray
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亀有名画座はそんな俺の夢を100%叶えてくれた。にっかつが、俺が18になるのを待たずして1988年にロマンポルノの製作を終了したため、厳選されたロマンポルノの旧作を立て続けに観れる最後の砦は、成人映画の名画座・亀有名画座だったのだ。


亀有名画座1995年5月20日撮影
亀有名画座(1995年5月20日) 撮影:児玉アパッチ


もし、亀有名画座がなければ、また、様々な紆余曲折の末、ロマンポルノ・ピンク映画の名画座という体制を取っていなければ、俺の夢は終生叶うことなく宙ぶらりんだったに違いない。自らの運命と生まれてきた時期を悔やみボヤき、ひょっとしたらグレていたかもしれない。その意味で俺は亀有名画座に出会えてほんとうに幸福だった。


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にっかつロマンポルノDVD BOOK ’80~’88年編



そして何よりも今井支配人には大変お世話になり、業務中お忙しくお疲れの中、ご迷惑もおかけした。今井さんご自身へのインタビューや、館内ロビーを使わせていただいた佐藤寿保監督、小沼 勝監督インタビューピンク大賞舞台挨拶などのイベント取材にとどまらず、我々が発行するインディーズマガジンYOUNG JAPANや、その前身である『季刊サブカル通信』の既刊号までも快く委託販売させてくださった今井さんの懐の深さと御厚意には、感謝の言葉だけではとても足りない。


季刊サブカル通信第3号イキっぱなし亀有
『季刊サブカル通信』第3号(1996年新装改訂版)


亀有名画座を取材してから約1カ月後、我々が「怒られるんじゃないか?」と思って恐る恐る今井さんに献上させていただいた『季刊サブカル通信』第3号「イキっぱなし!! 亀有~下町のエルサレム~」(1995年6月12日発行)をお忙しい中、快く読んでくださり、にこやかに応えてくれた、

「おもしろいよ、十返舎一九みたいでさ」

と笑いながら仰ったその一言が、その後の我々のパワーとやる気の原動力だった。もし、亀有名画座と今井さんと出会っていなければ、その後のインディーズマガジン『YOUNG JAPAN』へのリニューアルは無かったと言っていい。


YOUNG JAPAN02_2004
『YOUNG JAPAN』02 Ver.Zero (2004年発行)


俺が最後に亀有名画座を訪れたのは閉館日前日の1999年2月27日だった。受験生の頃から学生時代にかけて最も足繁く通い、夢を叶えさせてもらい、『YOUNG JAPAN』の委託販売の役目まで引き受けてくれた名画座が、「亀有會館」オープンの1941年から58年に渡るその使命を明日で終えようとしているのだ。


週に1回以上は亀有名画座に行かないと気が狂いそう」とまで言い、通い続けた血祭鉄兵。オブジェクティブ・アナライザーとして亀有名画座を見ていた山背悟平と共に再開発で激変した亀有駅南口から名画座へ歩を進めていた。俺は学生時代ほど亀有には頻繁に通わなくなったこともあり、ブルーで感傷めいた気持ちに心が覆われていた。


再開発後の亀有駅南口1996年
「亀有駅南口地区第一種開発事業」完了後の亀有駅南口 1996年 撮影:血祭鉄兵


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亀有本通り商店街 (道路拡張工事完了前) 1996年 撮影:血祭鉄兵


しかし、亀有名画座に着くや否や、そんなカビの生えた感傷はスチームターボで一気に吹っ飛ばされた。名画座の前に「行列」が出来ていたのだ。しかも時間を追うごとに館内が「超満杯」になっていったのである。


日本中のどこから一体こんなに人が集まったのかと思うほど、次から次へと映画ファン・亀有名画座ファンが怒涛の如く押しかけてくる。
館内の224の座席はたちどころに埋まり、通路まで観客がびっしり。しめやかな通夜に参列したつもりが、ふんどし一丁でリオのカーニバルに投げ出され、阿波踊りを踊っているような気分だった。


Samba_FeverCD
ブラジル サンバ・フィーバー


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阿波おどり みんな楽しく!!踊らにゃソンソン [DVD]


館内は学生さん、地元の工員さん、ジーさん、営業サボりらしきサラリーマンの“亀有常連四天王”にとどまらず、オシャレなヤングカップルや、芸能関係者だろうか、何やらタダ者ではないオーラを発散してる謎の人物がたくさんいる(※「ラストショー亀有名画座」の5日間は映画業界関係者の方々も多数来場)。


どの顔もドスケベで陽気で脂ぎっていて気持ちいいまでに日本晴だった。成人映画を心から楽しんでやろう、「ラストショー亀有名画座」を見届けてやろうという映画ファン・亀有名画座ファンの熱気と心意気とで床が抜け、天井が吹っ飛んでもおかしくないほどだった。


更に俺の驚きと興奮にターボをかけたのが、“売り子の姉ちゃん”だった。数年間一度もお目にかからなかったのは、俺が亀有を訪れた日と彼女たちの出勤日とがズレていたせいだろう。館内には亀有名画座の最終兵器“売り子の姉ちゃん”が出現し、盛んにお菓子やキャラメル、ホットコーヒーを売っていたのだ。


売り子もイカすぜ亀有名画座!!


祭りの様に熱狂的で賑やかな館内の光景を見てシビれながら、俺は1995年に初めて今井さんにインタビューさせていただいた時、楽しそうに語っておられたことを不意に思い出した。


「地元のお客さんだけで館内はいっぱい。何を上映しても当たりましたね。下駄履きや、サンダル履きで手に弁当箱ぶら下げて押しかけてくるんです。館内で煎餅食べたり、たばこ吸ったり自由にやってましたね。皆さん気楽に映画を楽しんでましたよ」
(1995年6月12日発行『季刊サブカル通信』第3号「亀有名画座支配人・今井道雄さんブチこみインタビュー」より)


Michio_Imai_interview19950102



ああ。これか。これだったのか。これが今井さんが仰っていた映画全盛時代の亀有名画座の姿なのか。納得すると同時に何か感慨に全身が包まれたのを思い出す。俺は本当に最後の最後になって初めて「ベスト・オブ・ザ・亀有名画座」を目の当たりにすることができたのだ。
また、想像を絶する観客数を集めることができたのは、ラストショー実行委員会の方々の御尽力だと閉館後、血祭鉄兵に知らされた。皆様の御尽力にあらためて恐れ入っております。


学生時代、血祭鉄兵と「亀有名画座がヤングボーイやピチピチギャルで満席になったらいいなぁ」と話していたことが、想像を遥かに超えて目の前で現実となって展開されている。思わず胸がつまった。そして、ラストショー興行に関してノータッチだった我々の如き輩が入場できるように取り計らっていただいた実行委員の皆さんに、深く感謝せずにはいられなかった。


俺はあの日、亀有名画座に行けて本当に幸福だった。もし、あの日、亀有名画座に行けなかったら俺は一生後悔していただろう。それくらい幸福だった。


(この日、怒涛の勢いでぶっ通し上映された14本は最後に記します)


今でも俺は言おう。
あの日の亀有名画座は閉館を翌日に控えた映画館には全然見えなかった。陽気で賑やかでハッピーラッキームード満点の映画ファン・亀有名画座ファンと共に、今井さんと奥様の舵のもと、亀有名画座が日本映画を支えていく“名画座の裏番長”として2010年、いや2100年までも続いていくような気がしてならなかったのである。


今井さん、奥さん、亀有名画座を支えてきた皆さん。
言葉が足りないのを承知で、血祭くんのメチャンコブログを借りて言わせてください。


約半世紀、お疲れ様でした。そして本当に、ありがとうございました。


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「ラストショー亀有名画座」(1999年2月27日) 撮影:血祭鉄兵 Left:児玉アパッチ Right:山背悟平


「ラストショー亀有名画座」の5日間延べ動員数1836人(ピンク映画情報誌『P・G』NO.59より)






【ラストショー亀有名画座 1999年2月27日(土) 上映プログラム】

11:00~12:15 マル秘湯の町 夜のひとで (1970年) 75分 16mm
          監督:渡辺護 脚本:大和屋竺

12:15~13:16 ラビットセックス 女子学生集団暴行事件 (1980年・国映) 61分 16mm
           監督・脚本:小水一夫 主演:朝霧友香/野上正義/杉佳代子

13:30~14:31 襲られた女 (1980年・ミリオン) 61分 16mm
           監督:高橋伴明 脚本:米田彰 主演:忍海よしこ/山路和弘/下元史朗
YararetaOnnaDVD
昭和ポルノ劇場 襲られた女 [DVD]


14:45~15:54 濡れ牡丹 五悪人暴行篇 (1970年・国映) 74分 16mm
           監督:梅沢薫(※追悼上映) 脚本・主演:大和屋竺 主演:港雄一/山本昌平

16:10~17:09 不倫妻の性 快楽あさり (1992年・新東宝) 59分 16mm
           監督:サトウトシキ 脚本:小林宏一(政広) 主演:栗原早紀/岸加奈子/杉浦峰夫
Tanjunnahanashi_SatouToshikiDVD
単純な話 [DVD]


17:25~18:53 ラブホテル (1985年・にっかつ) 88分
           監督:相米慎二 脚本:石井隆 主演:速水典子/寺田農/志水季里子
Lovehotel_nikkatsuDVD
ラブホテル


19:05~20:07 緊縛の仕置(『ザ・SMレズ』に改題) (1985年・新東宝) 62分
           監督・脚本:北川徹(磯村一路) 脚本:井上潔 主演:田口あゆみ/牧村耕次

20:20~21:37 マル秘女郎責め地獄 (1973年・日活) 77分
           監督:田中登 脚本:田中陽造 主演:中川梨絵/山科ゆり/堂下繁
Maruhi_Jorou_SemejigokuDVD
(秘)女郎責め地獄



21:50~22:55 アブノーマル 陰虐 (1988年・新東宝) 65分
           監督:佐藤寿保 脚本:夢野史郎 主演/伊藤清美/小野幸生/風見玲香
ABNORMAL_IngyakuVHS


23:10~00:10 ときめきの午後 (1988年・ENK) 60分
           監督・脚本:橋口卓明 主演/工藤克己/池島ゆたか/山本竜二

00:20~01:20 若奥様のナマ下着 (1987年・日活) 60分
           監督:石川欣 脚本:加藤正人 主演:小沢めぐみ/後藤康夫/相原久美
Wakaokusama_no_NamashitagiDVD
若奥様のナマ下着 NYK-227 [DVD]

01:30~02:31 牝臭 とろける花芯 (1996年・新東宝) 61分
           監督・脚本:瀬々敬久 脚本:井上紀州 主演:穂村柳明/槇原めぐみ/川瀬陽太

02:40~03:42 変態家族 兄貴の嫁さん (1984年・国映) 62分
           監督・脚本:周防正行 主演:風かおる/大杉漣/下元史朗
Hentaikazoku_AnikinoyomesanDVD
変態家族 兄貴の嫁さん [DVD]

03:50~05:08 ラストキャバレー (1988年・にっかつ) 78分
           監督:金子修介 脚本:じんのひろあき 主演:加藤みゆき/大地康雄/渡辺航
LastCabaretVHS
ラスト・キャバレー [VHS]



参考文献

kamearimeigaza-panfumini19990207
亀有名画座公式パンフレット『こちら葛飾区亀有銀座奥名画座』(1999年2月7日発行・完売)

企画/堀内 恭 斜見 シネ彦
取材・執筆/斜見 シネ彦
編集/堀内 恭
発行/亀有名画座睦会


P・G_number591999
ピンク映画情報誌『P・G』NO.59 (1999年5月1日発行)

編集・発行/林田 義行

文中一部敬称略
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Author:血祭鉄兵
所属 : Office YOUNG JAPAN

やっピー♪(←のりピー語)

80年代ウキウキWatching。

頭ん中Upside-downで、ラ・ムーにハマりっぱなしな40歳のAMラジオエアチェッカーでーす!

懐かシビれる1980年代ネタ+死語連発の文章表現ミニコミ誌『YOUNG JAPAN』(発行は完全不定期)編集主幹をやっとりマッスル。

「ファッションアイテムとしてのジャイアンツ帽」
の被りこなしも追求してるジャイアンツ帽Lover。


好きな食べ物・飲み物

うどん、ちゃんぽん、竹下製菓のアイス、ねるねるねるね、エビスビール


好きな有名人

岡田武史(日本サッカー協会副会長)、みのもんた、にしおかすみこ、ヨネスケ師匠、大槻ケンヂ、YOSHIKI 

好きな音楽

X JAPAN、VIOLET UK、AURA、JAGUAR、Zilch、筋肉少女帯、空手バカボン、V2、CRAIG ARMSTRONG、EVANESCENCE、King Crimson、Emerson, Lake & Palmer、Goblin、T-REX、80年代アイドル歌謡、映画サントラ、小室哲哉先生が歌う曲全部。

好きな映画

処刑ライダー、WAR GAMES、スニーカーズ、超能力学園Z、ザ・カンニング〔IQ=0〕(1980年・フランス映画)、BE BOP-HIGH SCHOOL~高校与太郎哀歌~、爆裂都市、狂い咲きサンダーロード、パンツの穴、ザ・サムライ、Mr.ジレンマン、太陽を盗んだ男、屋根裏の散歩者(実相寺昭雄監督版)、赫い髪の女、女必殺拳シリーズ、新幹線大爆破、シベリア超特急(全作品)など。

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