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ジャイアンツ帽愛好者・血祭鉄兵によるテンパイどころかノーテンパーブログ。

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斎藤浩一(「シネマ秘宝館」主宰)特別寄稿 【さよなら『亀有名画座』】

1941年に「亀有會館」として竣工され、戦後の1959年に東映封切専門館「亀有東映」、1980年に一般映画・成人映画各社を特選上映する「亀有名画座」、1983年に成人映画特選上映専門館(春・夏・冬休み期間中のみ「東映まんがまつり」、「東映アニメフェア」を封切上映)となった「亀有名画座」は、紆余曲折を経ながらも大勢の観客に親しまれてきた商店街の中の映画館だった。


ロマンポルノピンク映画の殿堂”、“名画座アラモの砦”とも呼ばれた亀有名画座は、立地する「本通り商店街」の東京都による道路拡張工事を理由に、1999年2月28日をもって惜しまれながら58年の歴史に幕を閉じた。


そこで、幼少期の1970年代から「亀有東映」時代の上映を体験し、成人後再び亀有名画座に魅せられ、かつしかFM『斎藤浩一のラジオ秘宝館』(1998年7月7日から1999年6月30日まで全52回)第34回「さよなら亀有名画座特集」では閉館日の模様、来場者へのインタビューを放送した、娯楽系自主映画上映会シネマ秘宝館主宰・斎藤浩一氏に亀有名画座への想いを綴っていただいた。


※1999年6月に寄稿していただいたものを、Web掲載用に再構成いたしました。




【さよなら『亀有名画座』】

文:斎藤 浩一(娯楽系自主映画上映会「シネマ秘宝館」主宰) 構成:血祭 鉄兵


1999年2月28日。私にとってかけがえのない映画館「亀有名画座」が姿を消した。


亀有名画座1995年5月20日撮影
亀有名画座(1995年5月20日) 撮影:児玉アパッチ


この映画館との付き合いは幼少期にまで遡る。まだ「亀有名画座」が「亀有東映」であった頃(1959年から1980年1月29日まで)、「東映まんがまつり」があると必ずと言っていいほど、父に幾度となく連れて行ってもらっていた。


『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』といったテレビで見慣れたキャラクターが大人にとっても余りある巨大なスクリーンに躍動する様は、子供を夢中にするには充分だった。売店でお菓子やパンフレットをねだり、帰りには食事のフルコース。毎年「東映まんがまつり」のテレビCMが流れる度に父にしきりにねだったものだった。







Toei_mangamatsuri1973summer
復刻!東映まんがまつり 1973年夏【DVD】


やがて多くの人々と同じく成長するにつれ、次第に父と映画を観ることもなくなり、友人と映画を観ることがあっても、「亀有」に出向くことが無くなった。そんな折、私が高校生の頃に「亀有東映」が「亀有名画座」に名を変えていたと知った(「亀有名画座」への館名変更は1980年1月30日)。 


だが、現在のように映画に熱狂する前の私にとって、そのようなことは蚊帳の外の話題でしかなかった。そして時代が過ぎ、立派な映画狂となった25才の冬、突如として「亀有名画座」に行きたくなった。まるで疎遠になっていた友人を思い出し、急に会いたくなった時の感覚に近い感情が湧き出したのだ。そして仕事もそこそこに、その日の最終上映時間前に「亀有名画座」へ……。


亀有本通り商店街1996年001
亀有本通り商店街(道路拡張工事完了前) 1996年 撮影:血祭鉄兵


変な改装をされていたらさぞかしがっかりするだろう、何も変わっていなければどんなに良いだろう……。そんな自分勝手なことを思いながら足を運んだ私を出迎えてくれた映画館は、ポスターの種類こそ違えども、幼少期に父に連れられて足繁に通った20年程前の姿と全く変わっていなかったのだ。これには正直言って驚いた。


私は古い建築物が好きなのだが、どんなに味のある建築物でもあっても、都市計画の名のもとにあっという間に時代に飲み込まれ姿を消して行く様を、嫌というほど見せつけられている。そんな経験から、20年程前に見たきりの建物が全く変わっていなかった現実は、表現できないほどの「驚き」と、「感動」であったのだ。父と一緒に座った椅子、場内が満席の時に寄りかかった最後尾の鉄パイプ製の手すり、突然唸りを上げる空調機……。もう、何から何までが変わっていないことと、この場所に通った記憶が洪水のように蘇り、思わず涙が出そうになった。


それからというもの、時間の許す限りの「亀有名画座」通いが始まった。ここで観た日活(にっかつ)ロマンポルノとピンク映画の数々は、私の偏見の目を覚ますには充分であった。濡れ場があってもあくまで映画としてのドラマを撮ろうというスタッフの意気込みが見える、一般に評価されないジャンルでの頑張りに何度感動させられたかもわからないくらいだった。


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だが、1999年2月28日。ついに「亀有名画座」はその使命を終えてしまった。その別れは余りにも突然であったが、あの「ラストショー亀有名画座」(1999年2月24日~2月28日)での、古びた場内に溢れんばかりの観客と共に名作揃いの日活ロマンポルノとピンク映画を観た、あの熱気と感動は決して忘れることはないだろう。


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「ラストショー亀有名画座」(1999年2月27日) 撮影:血祭鉄兵


もう「亀有名画座」が姿を消して随分経ってしまったが、私はそれがあった場所には1999年2月28日以降、一度も行っていない。人づてにその後、某劇団の公演のために建物がボロボロにされたとか、きれいに更地になってしまったという話を聞いてはいるが、自分でその事実を認めたくないという気持ちが働いているのか、あえてその話を確認するためにその地に出向こうという気が全く起きないのだ。


今でも仕事帰りの夕暮れ時、ふと亀有に行きたくなる。未練がましいのかもしれないが、私の心の中では今でも「亀有名画座」があるような、そんな気がするのだ。


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亀有名画座左側にあった看板 撮影:児玉アパッチ 1995年5月20日




【ラストショー亀有名画座 1999年2月28日(日) 上映プログラム】

11:00~12:02 駅前欲情シネマ 悶絶遊戯 (1991年・新東宝) 62分
           (『性感クリニック 暗闇でモミモミ』に改題)
          監督:渡邊元嗣 脚本:双美零 主演:水鳥川彩/山本竜二/小川真実

12:15~13:15 ぼくらの季節 (1983年・ENK) 60分
          監督:廣木隆一 脚本:望月六郎 主演:中根徹/佐藤靖/池島ゆたか/大杉漣

13:30~14:41 生贄夫人 (1974年・日活) 71分
          監督:小沼勝 脚本:田中陽造 主演:東てる美/谷ナオミ/坂本長利
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14:55~15:55 神田川淫乱戦争 (1983年・ミリオン) 60分
          監督・脚本:黒沢清 主演:麻生うさぎ/美野真琴/森田達也
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16:10~17:10 十三人連続暴行魔 (1978年・新東宝) 60分
          監督:若松孝二 脚本:掛川正幸 主演:荒木クミ子/阿部薫(兼音楽)/山下エミ
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17:25~18:29 痴漢電車 下着検札 (1984年・新東宝) 64分
          (『痴漢電車 朝の悦しみ』に改題)
          監督:滝田洋二郎 脚本:高木功 主演:竹村祐佳/螢雪次朗/竹中ナオト(直人)

18:45~19:45 変態テレフォンONANIE (1992年・新東宝) 60分
          監督・脚本・主演:佐野和宏 主演:岸加奈子/梶野考/高木杏子
Kazuhiro_Sano_Don't let it bring you downDVD
(原題は『Don't let it bring you down』)
Don’t let it bring you down [DVD]


20:00~21:16 恋人たちは濡れた (1973年・日活) 76分
          監督・脚本:神代辰巳 脚本:鴨田好史 主演:中川梨絵/大江徹/絵沢萌子
koibitotachihanureta
恋人たちは濡れた [DVD]






参考文献

kamearimeigaza-panfumini19990207
亀有名画座公式パンフレット『こちら葛飾区亀有銀座奥名画座』(1999年2月7日発行・完売)

企画/堀内 恭 斜見 シネ彦
取材・執筆/斜見 シネ彦
編集/堀内 恭
発行/亀有名画座睦会


P・G_number591999
ピンク映画情報誌『P・G』NO.59 (1999年5月1日発行)

編集・発行/林田 義行

文中一部敬称略
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80年代ウキウキWatching。

頭ん中Upside-downで、ラ・ムーにハマりっぱなしな40歳のAMラジオエアチェッカーでーす!

懐かシビれる1980年代ネタ+死語連発の文章表現ミニコミ誌『YOUNG JAPAN』(発行は完全不定期)編集主幹をやっとりマッスル。

「ファッションアイテムとしてのジャイアンツ帽」
の被りこなしも追求してるジャイアンツ帽Lover。


好きな有名人

岡田武史(日本サッカー協会副会長)、みのもんた、にしおかすみこ、ヨネスケ師匠、大槻ケンヂ、YOSHIKI 

好きな音楽

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好きな映画

処刑ライダー、WAR GAMES、レイジング・サンダー[NO RETREAT, NO SURRENDER PART2]、超能力学園Z、ザ・カンニング〔IQ=0〕(1980年・フランス映画)、BE BOP-HIGH SCHOOL、爆裂都市、狂い咲きサンダーロード、パンツの穴、ザ・サムライ、Mr.ジレンマン、太陽を盗んだ男、屋根裏の散歩者(実相寺昭雄監督版)、赫い髪の女、女必殺拳シリーズ、新幹線大爆破、シベリア超特急(全作品)などなど。

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